大人になってから聞いた話です。まさか自分の身近なところでそんなことがあったと思うとびっくりでした。 私が小学生の頃、親戚の叔父が起業しました。当時、景気も上向きだったこともあり建築関係の業種だったと聞いています。 ただ、叔父は子どもから見てもだらしない人、どこか詰めが甘い人でした。起業して最初こそ注文もあったものの、やはりうまく行くわけがありません。そして、バブル崩壊の煽りをもろに受けました。起業の際に兄である父や祖父に頼み込んで借りていたお金(新車が買えるくらいだったと聞いています)は戻ってくることもなく、その影響で私たちの生活もかなり厳しいものになりました。 父も仕事を増やし、母はパートに出ました。そして、どうしても必要なお金は消費者金融から借りるのではなく、生命保険からの貸付や定期預金の貸付などの貸付制度を使って借りていたそうです。消費者金融より貸付利率が低いこと、比較的しっかりした会社(保険会社や銀行)だからという理由でした。 それでも足りないときは、母が結婚のときに嫁入り道具で持たせてくれたという着物などを質にいれたそうです。育ち盛りの子どももいて、借金抱えた生活…そんなことも知らず育った自分、反省しました。 「貸した金は返ってこないと思え」と幼いときに親にはきつく言われていましたが、こういうことなのかとあとになって納得しました。 叔父に貸した金はその後一部は回収出来たそうです、ただ、その後の親戚付き合いはなくなりました。叔父は懲りもせず新たな起業をしたそうですが、閑古鳥が鳴いているという噂です。金は人間関係を変える、身に染みた経験だったそうです。